こだわり

土へのこだわり

荒畑園では、「力のある茶樹から摘み取った肉厚で緑の濃い茶葉からこそ、旨いお茶ができる」と考え、土づくりからお茶の栽培に取り組んでいます。

 茶草場農法とは

1年に1度、秋から冬にかけて茶畑の周りに広がる採草地でススキなどの草を刈り取り、茶畑の有機肥料として活用する昔ながらの農法です。

2013年5月に世界農業遺産(GIAHS)国際会議において、牧之原市・掛川市・菊川市・島田市・川根本町の4市1町の地域で取り組んでいる茶草場農法が「静岡の茶草場農法」として世界農業遺産に登録されました。

荒畑園は、牧之原市より茶草場農法実践者の第1号として認定をいただきました。

毎年、11月~12月にかけて茶草場での草刈りを行ないます。

草を刈ることにより生物多様性が保たれていることも評価されています。

刈った草を細かく粉砕した後、畑に敷いていきます。草を畑に敷くことで、土の温度(地熱)を保つ保温効果の役割があります。また、ススキなどの山草にはケイ酸とよばれる養分が豊富で、天然の肥料としても役立ちます。

おいしいお茶ができるようにと昔から手間のかかる農法を続けてきました。

 

もみがら堆肥

もみがら堆肥とは

まず堆肥というものは簡単に言うと有機物を微生物によって完全に分解した肥料のことを言います。

一方の厩肥(きゅうひ)とは、家畜の糞尿や敷き料(わら)、おがくずなどを堆積させ腐熟させたものを言います。

森では、肥料をやらなくても植物は生い茂っています。落ち葉や枯れた木が、空気と水と微生物の働きによって分解され、腐食して肥料となります。

この土壌分解サイクルをもみがら堆肥が可能にしてくれます。

荒畑園ではもみがら堆肥を9月~12月までの間に手づくりし、1月~2月に畑に施していきます。

 

もみがら堆肥の作り方

トラック150台分のもみがらと米ぬか、菜種粕などを土壌有効微生物菌(VS34)とともに発酵させます。

水を加え、撹拌することにより空気を含ませて発酵を進めます。

約2ヵ月間かけて完成するもみがら堆肥は、色は茶色くなり、旨み成分のアミノ酸が生成され、その一種グルタミン酸(うま味成分)がたっぷり含まれています。

1月初旬に、出来上がったもみがら堆肥を1ヶ月程かけて、10a(約300坪)当たり/3t程畑に敷き詰めていきます。

もみがら堆肥を茶畑に施すことで、保温力・保湿力が高まった土中に微生物が増殖し、生命力がみなぎる土壌になります。

もみがら堆肥を施した土壌は、草取りやクワ入れなどの耕作に、通常よりも何倍もの時間がかかります。手間はかかりますが、愛情を込めて育ててきた成果として、元気の良い、栄養分をたっぷり含んだ新芽が育ちます。

荒畑園では、手間暇を惜しまず、健康成分たっぷりのおいしいお茶ができるように土づくりからお茶の栽培に取り組んでいます。

-こだわり